静かな情熱で描くメンデルスゾーンの風景。
クレンペラーがフィルハーモニア管を率い、スコットランドの霧とイタリアの陽光を対比的に描く。抑えたテンポの中に響きの深みと構築美が息づく名演。
この演奏は、クレンペラーが楽曲に対して内的な統制を保ちつつ、静かに情熱を注ぐタイプの解釈である。第3番《スコットランド》では、薄暮の情景を思わせる陰影ある序章から音の響きが一層深まり、金管・木管が抑制された強さを保ちつつ絡み合う。第4番《イタリア》ではより軽やかな展開がありながらも、テンポを過度に揺らさず、構造の透明性を維持することで楽章間の対比を明確にしている。各声部のバランス調整は緻密で、オーケストラ全体が一枚の音の布を織るように響く。過度なエモーションを抑えるその表現は、ロマン派の過剰を避けながらも、音楽そのものの強度を際立たせる。深い落ち着きとともに内包された熱を感じさせる、交響曲演奏の一つの到達点と言える演奏だ。
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8 TRACKS:
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1)
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I: Andante Con Moto - Allegro Un Poco Agitato
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2)
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II: Scherzo (Vivace Non Troppo)
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3)
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III: Adagio
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4)
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IV: Allegro Vivacissimo - Allegro Maestoso Asai
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5)
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I: Allegro Vivace - Più Animato
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6)
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II: Andante Con Moto
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7)
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III: Con Moto Moderato
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8)
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IV: Saltarello (Presto)
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Orchestra - Philharmonia Orchestra
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Conductor - Otto Klemperer
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Producer - Walter Legge
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Engineer [Balance] - Douglas Larter
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Producer - Walter Jellinek (1 to 4)