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ゴールデングローブ賞、グラミー賞にノミネート作品！アンコールプレスで蘇る！
オペラ的なライトモチーフやシンセによる効果音など、従来の映画音楽とは異なるアトモスフェリックなサウンドトラックを構築した、後世まで語り継がれるであろう大作。
イニャリトゥ監督の2016年作品は、アカデミー監督賞、主演男優賞を受賞した名作。坂本は、2014年に罹患した中咽頭癌の回復期という体調が万全でない中この依頼を引き受け、完成したサウンドトラックは映画音楽史に残る傑作となった。坂本は、アメリカ北西部の極寒地帯の空気感を表現するため、フレーズ間隔が長く、拍節構造がほとんど感じられないコンポジションで、息の流れのような音楽を創造。ストリングスによる和音の余韻が消え、沈黙が続く中、再び和音が立ち現れる。短いビートとは異なる、大自然のリズムを音で表現した。この構造のサウンドを、コンピューターではなく生のオーケストラに演奏させたことも特筆すべき点である。坂本は、拍節構造のない音楽を演奏させるため、小節ごとに拍子が変わる奇妙な楽譜を書き、自身の思い描いた「間」を表現することに成功した。電子音も巧みに組み込まれ、坂本自身がチェロやエレキギターも演奏している。体調不良のため、制作終盤でアルヴァ・ノトとブライス・デスナーの協力を仰ぎ、アカデミー作曲賞の審査対象外となったが、オペラ的なライトモチーフやシンセによる効果音など、従来の映画音楽とは異なるアトモスフェリックなサウンドトラックを構築した功績は、後世まで語り継がれるだろう。
